「Mr.リビンマッチが解説する注文住宅比較」今回は、「芝生を知ろう」です。

 

注文住宅を考えている方のなかには、庭やアプローチ部分に芝生を植えたいと考える方もいらっしゃるかもしれません。

例えば、帰宅時に疲れてうつむいて帰ってきても、控えめな照明の下にふと目にはいる柔らかな緑でホッと安らげるかもしれません。海外の映画やドラマなどでキレイな芝生のある住宅なんかを観て、その景観の美しさに「ウチにもあんな庭があったらいいな」と憧れを持つこともあるでしょう。

また公園などの芝生の上を裸足で歩いたことのある方なんかは、その気持ち良さもおわかりいただけるかと思います。
あの優しいチクチクとした感じと匂いには、なぜか懐かしさを覚えてしまいます。
そんなわけで今回は注文住宅における芝生について色々とご紹介できたらなと思います。
芝生について興味はあるけど詳しくない方はもちろん、興味のない方にも「へぇ、いいかもな」なんて思っていただければ幸いです。

芝生の何が良いの?

日本ではサッカーや野球などの屋外で行われるスポーツは特に人気がありますが、プレー環境としてグラウンドに芝生が用意されていることが観戦していてもよくわかります。
グラウンドの中で走り回る選手たちの身体の保護を目的にしている側面ももちろんあると思いますが、選手のプレーを観ている最中でも、視界に映る芝生のキレイな青さというのは見る者の目を優しく楽しませてくれるものですよね。

そして、注文住宅においても芝生は外観を華やかに魅せる助けになることでしょう。
しかしプロスポーツのグラウンドの芝生があんなに美しいのも、しっかりと行き届いた管理のお陰です。専用のグラウンドキーパーも存在しますのでプロの仕事です。それに比べ、自分で管理するとなるとなかなか大変そうです。

庭やアプローチに芝生を植えたはいいが、枯らせてしまっているようなお宅を見たことがある方もいるでしょう。
自分で管理するのは大変そうだという方で、芝生によく似た人工芝はどうなのかが気になる方もいらっしゃるかもしれません。
実際のところはどうなのか、まずは芝生がどんな植物なのか詳しく見ていきましょう。

芝生ってそもそも何なの?

そもそも芝生というのは、芝が密集して生えて、絨毯のようになった「状態」のことを指すそうです。
では芝とは何かというと、イネ科の多年草を総称して呼ぶ植物のことだそうで、芝草ともいいます。
芝を大別しますと日本芝と西洋芝に分かれ、さらにそこから生育に適した気候別に夏型芝と冬型芝に分かれています。日本芝は夏型芝のみで、西洋芝には夏型と冬型の両方があります。芝生も生きている植物ですので、植えてある土地の気候は大きなポイントになりそうですね。

日本芝というのは夏型芝ですので、高温多湿な環境に適しています。
種類としてノシバ、コウライシバ、ヒメコウライシバなどが存在します。
特徴としては暑さや乾燥に強いことに加え、踏みつけられることにも強いそうです。
また23℃以下で生育が停止してしまうため、冬には黄色く枯れたようになりますが、暖かくなると青さを取り戻すようです。

いっぽう西洋芝には冬型と夏型があり、冬型芝というのは寒さに強く、冬でもその青さを失いません。種類としてはベントグラス類、ブルーグラス類があり、主に関東以北の土地に適した芝生といわれています。そして関東以南に適しているとされる西洋芝が夏型芝です。
こちらは日本芝と同様、冬には枯れたようになり、夏に再び青くなります。種類としてはダグラス類、ティフトン類、ウーピングラスなどが存在します。

このように見ていくと、夏型芝であれば冬には枯れたように見えることは当たり前のようです。
注文住宅を考える上では色々な選択肢を持つことができますが、芝生の種類に関しては建てる土地の地域によって制約を受けそうです。

また芝生の絶対条件として地面の日当たりと風通しの良い場所でないと生育できません。
注文住宅を建てたい場所によっては、どうしても地面の日当たりを確保することが難しいこともあるでしょう。
そこで次に紹介するのが人工芝です。
ご存知の方も多いと思いますが、これまでご紹介してきた植物である芝生を「天然芝」、天然芝をマネて人工的に開発されたものが「人工芝」といいます。

人工芝について

プロ野球では雨天中止を防ぐために屋根付きのドーム球場を持つ球団もあり、天然芝を敷くと日に当てることが出来ないため、人工芝が用いられています。
また、多目的に使われるドーム球場ではコンサート会場としても使用したりしますので、芝生を出したりしまったりするところもあります。そのため天然芝にすることはそもそも無理なようです。
それでは人工芝の特徴について触れていきたいと思います。

人工芝とは、芝生に見えるようにポリエチレンやウレタンなどの合成樹脂によって作られています。パイルと呼ばれる表面の芝の部分と、それを植え付ける下地となるシートで構成されていて、シートの下にクッションとして珪砂(石英の砂)やゴムチップが充填されているものもあります。いくつか種類がありますのでご紹介します。

ショートパイル人工芝は最初に開発された人工芝です。
パイル(芝)部分が短めで、クッション用のものは充填されていませんのでノンサンド人工芝と呼ばれることもあるそうです。
スポーツ用としては摩擦が激しく、使う選手の身体にかかる負担は大きくなり、耐用年数も短いようです。
薄くて軽いため、巻き取って収納することも可能です。

ロングパイル人工芝は20世紀末に開発された人工芝です。
パイル(芝)部分を長くして、シートとの間に見えないように充填剤を詰めてあります。
そのおかげでクッション性に優れていて、使う選手の身体の負担はショートパイルに比べると軽くなりますが、価格は高めです。
充填剤のコンディション維持に手間がかかりますが、そのぶん施工初期の状態を長く維持することができるようです。
しかし、充填剤が詰められているために、巻き取って収納することは出来ません。
現在、スポーツのグラウンドで幅広く普及していますが、スポーツイベント以外では保護のためにシートで養生してカバーする必要があります。

砂入り人工芝はショートパイルのような短いパイル部分に珪砂(石英の砂)を充填した人工芝です。
砂が表面に露出していて滑りやすい特徴を持っています。
なかでも屋外用に水を通すことができるようしたものは透水性人工芝と呼ばれ、下に砕石や排水管が埋め込まれています。
砂入り人工芝もテニスやグラスホッケーなど、スポーツのグラウンドで使用されています。

天然芝と人工芝の違い

ここまでは人工芝の特徴を伝えるために屋外スポーツのグラウンドにばかり触れてきましたが、もちろん家庭用のものもあります。
では実際に自宅の庭やアプローチに施工した場合はどうなのか、ここからは人工芝と天然芝の違い、メリットやデメリットについて検討していきたいと思います。

住宅の庭に導入する際、天然芝と違い人工芝にはもちろん施工条件はありません。
人工物ですからどこにでも設置できますが、費用は天然芝よりも高くつきます。
しかしメンテナンスは不要なので、それ以上かかりません。
逆に天然芝の場合、施工費用は人工芝よりも安いのですが、伸びてくる芝を小まめに刈ったり、肥料を与えたりと手間も費用もかかります。

ここで天然芝の管理について少し触れますが、放っておくとどんどん芝の背が高くなっていきます。伸びてから刈ればいいやと思えるかもしれませんが小まめに刈らなければならない理由があるのです。
というのも、芝には「成長点」というものが存在します。短いうちはいいのですが、芝が伸びてくると成長点も高い位置に移動してしまいます。そこで短く刈ってしまうと、成長点を失ってしまいます。これを「軸刈り」といい、下手をすると枯れてしまうそうです。
この成長点が高くならないように、芝のトップの位置から1/3程度の部分を小まめに芝刈りする必要があります。
芝刈り機の導入も必要で、広さによって種類も豊富なようですが、やはり天然芝はラクではないようです。
しかし手間がかかるほうが、かえって愛情が湧いてくることもあるかもしれません。

一方でそんな管理はとても面倒だし人工芝のほうがラクでいいという方も多いかと思います。
最近では見た目もかなりキレイで柔らかいものも販売されているようですので、サンプルを参考にされることをオススメいたします。
ただ天然芝は丁寧に育てると何十年ももちますが、人工芝は劣化していくために寿命は7~10年ほどのようで、買い替える必要がありますので要注意です。

ここまで芝生について色々と述べさせていただきましたがいかがでしたでしょうか?
天然芝と人工芝の違いについておわかりいただけたかと思います。
少し乱暴な言い方になるかもしれませんが、天然芝とは愛情をもって育てる(手のかかる)生き物、人工芝は便利で機能的な装飾品と考えてもいいかもしれません。
天然芝はやはり大変でも育てることを楽しめるかどうかがポイントのように感じます。
ちょっと芝生情報入り過ぎで、参考になるかどうかが分からないのですが、少しでも「へぇ」と思っていただけたら嬉しいです。