「Mr.リビンマッチ(旧スマイスター)が解説する注文住宅比較」今回は、「屋根について」です。

 

素材やデザインなどで割とイメージに近いものを、実際に目で見て確認することは、注文住宅を作るうえで大いに役立つことでしょう。
しかし実際に街を眺めながら歩いていても、そういった注文住宅のヒントを得にくい箇所があります。それは屋根です。

地上では建物から離れないと見ることができませんし、近くで確認することはあまり無いように思えます。実際はマンションなどで2~3階からお隣の一軒家の屋根が見えるくらいが関の山ですが、不審者に間違われかねませんし、ご近所トラブルに発展する可能性があるのでお勧めできません。(言い過ぎではありますが、、、)

まぁそういうことで、今回は屋根の素材や形について考えてみようかと思います。ちょっと強引ですが(^^;

屋根の素材を知る

屋根の素材には大きく分けて4種類あります。金属系、スレート系、セメント系、そして粘土系です。大切な家を守るための重要な部分なので、共通して頑丈な素材ですが、種類によって性質が違いますのでぜひご参考ください。

■金属系
金属系屋根材でまずご紹介するのはガルバリウム鋼板(ガルバ)です。ガルバリウム鋼板とはアルミニウム・亜鉛合金メッキ鋼板の名称で、高い防食性を誇ります。ステンレス鋼板のほうがさらに防食性は高いのですが、購入単価がステンレス鋼板より大幅に安く経済的かと思われます。また軽量であり、建物への負担が少ないことから耐震性にも優れ、カラーバリエーションも豊富にあります。耐久年数は40年程です。

次に紹介いたしますのは銅板です。銅板は古くから屋根の素材として使われています。防水性と防食性に優れ、雨にあたって酸化してできる緑青(ろくしょう)が銅板をコーティングして守ります。これも軽量で耐震性に優れていて、柔らかいので加工もしやすい特徴を持っています。耐久年数は50~60年です。

三つめはトタン屋根でお馴染みのトタンです。トタンとは亜鉛メッキ鋼板のことで、バケツやじょうろ、ちりとりなどの日用品の材料にも使われています。屋根自体の継ぎ目が少ないので雨漏りしにくいのが特徴です。費用も安いのですが、見た目も安っぽく耐久性も低いようです。また雨などの音も響き、夏は暑く冬は寒いです。

■スレート系
スレート系屋根材ではじめにご紹介しますのは化粧スレートです。住宅で一番多く使われている素材です。実際には「カラーベスト」「コロニアル」などの商品名で流通しているようです。化粧スレートはセメントに繊維を混ぜて固めたもので、日本瓦よりも軽量で耐震性に優れ、さらに安価でカラーバリエーションも豊富です。その一方で割れやすく、劣化して色褪せするのでメンテナンスが必要です。2006年以前に作られたものにはアスベスト(石綿)を含んでいる可能性がありますので、解体時には注意が必要です。

次に紹介したいのが天然スレートです。天然スレートは粘板岩(ねんばんがん)を薄く割った屋根材で、防水性と耐久性に優れています。ほとんどが外国からの輸入品で、国産のものは宮城県石巻市の雄勝町でのみ生産されており、かなり高価だそうです。東京駅で使われているそうですが、市場には出回っていないようです。

■セメント系
セメント系屋根材でまず紹介いたしますのは厚形スレート瓦です。厚形スレート瓦はセメント、硬質細骨材と水をよく混ぜ練り合わせたモルタルの瓦です。耐熱性に優れ、表面を着色しているので色のバリエーションも豊富です。劣化現象で白い粉が出るチョーキング、色褪せや変色、カビや苔の発生などが起こるため、メンテナンスが必要です。

次に紹介するのがコンクリート瓦です。コンクリート瓦は厚形スレート瓦と同じ原料で出来ているのですが、セメント量の割合が少なくされています。立体感のある瓦で、洋風の建築での屋根材として使用されることが多いようです。日本瓦に比べると価格は安いのですが、耐火性に優れています。こちらも表面を着色しているのでカラーバリエーションを楽しめます。

■粘土系
粘土系屋根材で紹介いたしますのは日本瓦です。そもそも粘土系の瓦というのは粘土を成形して瓦の形にして乾燥させ、1,000~1,250℃以上の高温で焼き上げたものです。屋根材のなかで耐久性は最も優れているとされ、50年以上は持ちますし、半永久的ともいわれています。さすが重要文化財などに用いられているだけはありますね。しかし重量が重いため、耐震性の弱さが欠点となります。

製法別でいうと、焼き物の絵の具である、釉薬を塗布して焼き上げる「釉薬瓦」があります。釉薬は、焼き上げることで瓦の表面にガラスの層を形成します。それによりさらに耐久性を上げています。別名陶器瓦とも呼ばれています。
また、表面を素地のままで焼き上げたのちに、水で希釈した灯油やプロパンガスを使って燻し、表面に炭素膜を形成させたものを「いぶし瓦」と呼びます。経年劣化で黒から銀色に変化して、屋根を渋く演出します。
他にも、素地そのままで焼き上げる「素焼瓦」、粘土に金属酸化物を練り込んだ「練り込み瓦」、焼き方の工夫により色調を出した「窯変瓦」などがあります。

また形状や産地別でも色々と種類がありますので、洋の東西を問わず様々な好みに合わせることができるかと思います。

屋根の形を知る

屋根にも様々なデザインがありすが、気象条件を考慮してつくられたものが多いようです。

■切妻(きりづま)屋根
切妻屋根は、屋根を簡単にイメージしたときに一番最初に思い浮かぶ形です。最上部から2つの傾斜面が、本を開いたように下がっている山形の屋根で、日本で最も用いられています。2面だけで構成されるのでローコストですし、雨漏りもしにくい構造といえます。豪雪地帯では屋根の上に雪が積もりにくいという利点があります。風通しも良く、ソーラーパネルを付けることに適しています。しかし、2面しかないので片側に太陽や雨風の負担が集中しやすいというデメリットもあります。

■寄棟(よせむね)屋根
寄棟屋根は、最上部から4つの傾斜面が下がっている形です。今は違いますが、長年、切妻屋根の次に日本で普及していました。四方に傾斜面を持つため、切妻屋根と比べて様々な負担を逃がしやすいという特徴があり、耐久性が高いといえます。また四方の軒を延ばすことで、壁面を日光や雨風から守ることができます。
都心では建築基準法の、いわゆる高さ制限である「斜線制限」にも柔軟に対応しやすいという特徴もあります。
欠点として、屋根の裏側は斜面に囲まれているため、風通しが悪くなることが挙げられます。
寄棟屋根の一種である方形(ほうぎょう)屋根は、最上部を頂点にした四角錐の形をしています。

■片流れ屋根
片流れ屋根は、一枚の屋根が片側に下がっている形です。上述したように、国内で採用されている数では寄棟屋根を上回り、現在切妻屋根に次ぐ多さとなっています。1面のみのシンプルな構造なのでコストも低いうえに、個性的なデザインにすることもできると思います。切妻屋根と同様にソーラーパネルも簡単に取り付けられます。
構造的に、最上部の方からくる雨の伝い水が雨漏りの原因となりやすいので、しっかりとした対処が必要です。風圧などの負担を受けやすいのも欠点として挙げられるようです。

■陸(ろく)屋根
陸屋根は平屋根ともいわれる傾きのない平面の屋根です。屋上のある建物の屋根を想像していただければお分かりになるかと思います。屋上のスペースが欲しい方はもちろん、豪雪地帯においては落雪事故を防ぐ目的で、鉄筋コンクリート構造で作られることもあるようです。また、屋上に貯水タンクを敷設できるので、降雨量が多いにも関わらず、川が短く水不足になりやすい沖縄県でも多く採用されているようです。屋根の勾配がほとんど無く、構造的に雨を逃がしづらいので、雨漏りのリスクは高まるようです。

他にも、切妻屋根と片流れ屋根を足したような形をした「招き屋根」、切妻屋根と寄棟屋根を組み合わせたよう形の「入母屋(いりもや)屋根」「はかま腰屋根」などがあります。構造が複雑になるとその分コストもかかりますが、安定感や重厚感が増すようです。

いかがでしたでしょうか?今回は屋根の素材や形についての紹介をしました。ぜひ参考にしていただければ幸いです。自分の好みを追求するのもよし、注文住宅を建てる土地の条件に合ったものを優先して選んでみるのもいいかもしれません。ただ、せっかくの注文住宅です。頑丈なものに越したことはありませんので、慎重に選びたいものですね。